今回は“おしゃれなデザイン”と”分かりやすいデザイン”について私が思ったことを書いてみます。
※今回のお話はイラレ(ai)やフォトショ(photoshop)のテクニックなどではなく、デザインをする上で考えておきたい根本的な内容です。
”おしゃれ”は十人十色
まず「おしゃれなデザインってどんなの?」と聞かれたらみなさまはどういうイメージが思い浮かびますか?
”おしゃれ”という表現は何とも抽象的すぎて、育ってきた環境や見てきたもの、年齢や性別などによってそれぞれが思い浮かべる”おしゃれ”は三者三様、十人十色で変わってくるわけですね。
では下の画像を見てみてください。
▲「セブンイレブン」のコーヒーサーバー。よく見ると…
(画像をクリックすると拡大します)
利用したことがある方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、「セブンイレブン」のコーヒーサーバーです。
よく見るとコーヒーサーバーに「おかわりできません」とか「あたたかい」「つめたい」とテプラのようなものでプリントしたものが貼ってあります。
これっておしゃれですかね?
“お客様不在”のおしゃれ
確かにコーヒーサーバー自体はスタイリッシュでシンプルでいわゆる”おしゃれ”なんですが、何のデザイン性もないテプラを貼られることにより一気にスタイリッシュさやシンプルさが損なわれていることが分かります。
おそらく大多数の方が、「この状態のコーヒーサーバーはおしゃれではない」と思われたのではないでしょうか。
でも店員さんも好きでテプラを貼ったわけではないと思うんですよね。
おそらく1杯しか飲んじゃダメというシステムを理解できずに、お代わりしようとした人がいたんでしょう。
おそらくホットコーヒーを頼んだつもりが、間違えてアイスコーヒーを押して、ぬるいコーヒーが出てきてしまったんでしょう。
そこで、店員さんがお客様のためを思ってテプラを貼り付けたのではないでしょうか。
あくまで私の推論ですが、大きく間違ってはいないと思います。
素晴らしいデザインを作るコツ
すなわちコーヒーサーバー自体はスタイリッシュでシンプルで”おしゃれ”なんですが、そこに「分かりやすさ」が共存していなかったために、上画像のような”いびつ”なコーヒーサーバーが生まれたわけです。
ものすごく偉そうな言い方で誠に申し訳ないんですが、この当時のコーヒーサーバーはお客様の「わかりやすさ」を無視したデザインであったと言わざるを得ません。
デザインとは自社のサービスや商品、ブランドをアピールするためのツールですが、受信するお客様が分かってくれないと何の意味もありません。
素晴らしいデザインを作る一番の近道は「お客様視点に立つこと」です。
これはデザインを発注する側とデザインを作る側の双方が常にしっかり考えておかなければいけません。